ジェッジdeトラベル!!「富士山に初めて登頂した」
人生最初で最後、富士山に登ってきました。矢沢永吉さん事務所の元社長・竹田さんのお供です。呑んでる時に「死ぬまでに登っておきたいよね」という話が実現。2日掛けての登頂でした。竹田(元)社長と僕については記事の後半に…。
4つある登頂ルートのうち、初心者用の「富士吉田ルート」を選択…なにが初心者用だよ…とんでもない地獄だった話は後ほど…。写真は5合目・富士吉田ルートのスタート地点。なんと海外の観光客の方々で一杯!日本人まったく居ない!!中国→韓国→ヨーロッパ系の割合です。海外の方々の服装が「しっかり登山用」なので、登山前提に来日しているのか。そして装備が熟れた軽装備(バックパック小さめのトレイルシューズで機動力高め)なのが凄い。フラッと寄ったのではなくガチで来ている。
世界[文化]遺産の看板が。日本人のこころ・富士山。知らない人も多いので歯に衣着せず言っときますが、世界遺産は大きく分けて歴史的建築や文化的景観を対象とした「世界文化遺産」と、自然が生み出した美術性の高い景観や生物学的に重要な区域を対象とした「世界自然遺産」の2種類あり、自然景観である富士山は過去に「世界自然遺産」に申請したら登録落ちして、苦肉の策で世界文化遺産に申請して、どうにか登録できた経緯があります。富士山という物体ではなく、富士山を敬い、崇拝する精神文化が遺産登録されたという。なんともフワッとした話ですが、
個人的に言いたい事は「オレが富士山好きって気持ちが認められたんだぜ!思いは強いほうが優勝だぜ!」で、いいんじゃないでしょうか。僕好きだもん。それでいいじゃん。
ちなみに世界[自然]遺産に落ちた(門前払いの)理由は、①あまりにゴミで汚い②排泄物(人間の)を垂れ流して捨てる劣悪な環境の為だと、不承認理由の文言にガッツリ明記されてしまうくらい(先方の怒りが垣間見える)アウトでした。そもそもそれでよく自然遺産に申請する気になったよな…通ると思ったのかと、気になる方はググって見ると再申請までの涙ぐましい話がいっぱいヒットします。ちょっとグッとなります。
若手ITエンジニアをデスマーチ街道に送り出す
意識高い系プロデューサーの像が。
すでに五合目、海抜2,000m越えからのスタートなので、開幕から景色は素晴らしい。僕は重度の高所恐怖症と過去ブログでも散々お伝えしてますがというか何度も話してますが「自然の高所は平気」です。僕は嫌いなのは「人工的な高所」。高い山の中腹から眺める景色が大好きです。
五合目はまだ、雲が上に。ここから雲が足元になります。
前述の話もあり、富士山はトイレが全て有料です。山頂は300円。
七合目までずっとこんな景色です。五合目→六合目まで移動時間は一時間ちょっとですが…
六合目から急な高配や、「道じゃねえだろコレ崖だろ」みたいな箇所を文字とおり登っていきます。3時間ぐらい。その間に急に天候が変わって落雷・大雨・突風の「自然災害の(ラーメン二郎)全部のせ」に遭ったりと洗礼を喰らいました。
本日の宿泊先の山小屋に到着。昭和の押し入れをブチ抜いたような、カプセルホテル形式の木棚で仮眠します。14時に登りはじめて現在18時。すでに足が棒というか90度に曲げられない!相当しんどいぞ富士登山。御来光(日の出)を見るのが目的なので、深夜23時には出発。疲れは取れないけど高山病予防のため、身体を慣らすのが目的とのこと。
山小屋の上に更なる山小屋が。一番上が七合目の中盤…だと…まじか。
山小屋では簡易的な食事が提供されます。どこの山小屋もカレーか牛丼の2択だそうです。別料金でおにぎりが。ソフトドリンク500円、ビールは700円、カップヌードルは600-700円。ちなみにビール呑むとトイレに行きたくなって無駄に使用料金200円取られたので呑まないほうがよかった。
23時、登頂再開。このまま山頂まで。夜景がうっすらと、霧で霞む。
溶岩石剥き出しの斜面を両手で掴みながら黙々と登り3時間、ようやく八合目に。酸素が薄い事が原因で、とても疲れやすい。1分登って1分休む。想像を絶する運動量。マジで舐めていた。
本ブログ、遂に画像で登場、竹田(元)社長。
ミュージシャン矢沢永吉の事務所社長として音楽業界では知らない人が居ない、この世界の重鎮。
そして僕を「自身の片腕」「参謀」と公言して下さり、様々な音楽業界ビジネスに僕を招聘した(巻き込んだとも…いえなんでもございません)、先輩であり兄であり親友のような存在の人です。あぁ今振り返るとビジネス3割で事件が7割のようnいえなんでもございません。
出逢ってもう20年になるのかな。毎日2人で朝までウイスキー呑み歩いたり、音楽の話で盛り上がってお互い酔い潰れたり。当時はウイスキーを互いに1本2本と平気で呑んで仕事してたけど、僕がもうこんな身体だし、竹田さんも還暦を越えたこともあり、お互いが生きてるうちに、元気なうちに富士山登っちまおうぜ、というのが今回のはじまりです。
あとどれぐらい、僕らで「景色」を見れるんでしょうね。僕のバンド仲間はもう、数えるほどでも無い、僅かになりました。黎明を知る親友も「心の病気」になり、快復傾向にあるけど配信を行える状況には程遠い。音楽に限らず、日々の人生を共に走りながら景色を眺める仲間は、その足取りを終えてゆく。僕はただ、ライヴ後の打ち上げの風景が愉しみだった人間だったのに。
友達と、仲間と、一緒に見る景色は、
とてもきれいなものでしょう。
23時から登り続けて朝4時40分。九合目の「御来光の館」に到着。もう身体が乳酸出まくりでジンジン痺れている!ボロボロの身体の目前で「それ」が始まりました。
午前4時45分、ついに日の出。
ゆっくりのようで、でも気づくともう、
太陽はその身体の半分を、煙を纏うように昇ってきました。
グッドエンド。そしてエンドロール。
だが、物語は続く(ゴルゴ13より)
日の出観て終わりじゃねーんだよ!頂上目指すんだよ!
そしてこっからが最大の地獄なんて知らなかったんだよ!!
うぉぉぉ遠くにちっちゃく頂上が…。
最大の難所は九合目から頂上のわずか300m。わずかってバカにしてたけど、酸素薄いし乳酸消えないから疲労が取れないで足がプロシュートの塊だし、そもそも溶岩石と砂利にまみれた舗装されてないルートだし、なにより太陽の日差が痛い!顔の皮がむけるというか剥げる!さっきまで御利益あったアレが今度は殺しに掛かってくる!ここで脱落する人多いって聴いてたけどマジできちい。300メートル進むのに6時間掛かったよ。嘘だと思うなら登ってこい!!
太陽に殺されながら(ジャーキーにされながら)午前11時…
噴火口だ…富士山レーダーだ…ついに…登りきったぞ…
もっとこう、エヴァンゲリオンTV版のラストみたいに祝ってくれたら感動MAXなんですが、夢見た場所は(判っちゃいたけど)荒れ地でしてね。とっても虚無が襲ってきました。
気づけば雲は自分の足元より下に。さすが3776mの富士山。
=おわりに=
富士山バカにするな。登るの地獄だぞ。
そしてな、
下山は2倍以上に地獄だぞ。
執筆現在(8月9日)、顔面の皮膚という皮膚が焼けただれ、とても人前に出せる生命体では無いです。竹田さんの言う通り日焼けクリームを塗って置けばよかった。
人生最初で最後の富士山ですが、山登りは終わらない。
これから時間があれば槍ヶ岳とか登ろうと話しながら下山しました。
そして帰りのツアーバスは、
僕らを残して帰路についた(実話)