2019年の振り返りと「未来」のお話

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ジェッジジョンソン藤戸です。ご無沙汰です。2019年も残りわずか。あっちゅーまですよ!あっちゅーま!!皆さん、2019年は最高の1年でしたか?年末になると僕はブログでその年を振り返ります。あ?あと2ヶ月残ってるだと?この世で2ヶ月で激変するものは勤務評価と株価ぐらいです。2ヶ月程度で大枠は変化しない。変化するのは蓄積のせいです。残り2ヶ月でなんか面白い事が起こったらこのブログに追記しておきます。実に効率的。

1月:「ファントム・メナス」

・年をまたいで制作業務が

個人的激動の2018年、落ち着くと思いきや制作案件は年をまたぎ、元旦から頭をフル回転させる業務が山のように。ジェッジのアルバム制作も立ち上がり、プラネタリムも次回作プロットがプロデューサーさんから届き、正月の時点で年間予定(工数表)がほぼ埋まるという。ハリウッド⇔台北⇔東京の往復も再開。パスポートの捺印ページ、残りがヤヴァいことになってきた。てかコレ無くなったら作り直し?お金取られますよね?期限内なのに?えーどうなんでしょうねこのあたりのシステム。

・台北ゲームショウに行ってきた

東京ゲームショウ料理の別人ジェッジジョンソン藤戸JETZEJOHNSON

詳しくはブログ【個人的備忘録】台北ゲームショウに行ってきた(2019年度版)に記載しました。いやもう「アジアのゲーム市場のいま」を目の当たりにして衝撃を受けました。元ゲーム会社員という性なのか、どうしても自分の目で確かめたかったってのが発端でしたけど、日本のゲーム開発の今後に不安と心配を抱きました。詳細は先のリンクより飛んで観て下さい。

「ファントム・メナス」は藤戸家の皇室アルバム「スター・ウォーズ」第1部のサブタイトル。「見えざる脅威」と意訳されてましたが実際の日本プロモーションでは英題のファントム・メナスそのまんま。上映当時、一連のシリーズを観ているファンなら何となく予想と意味が想像出来たのですが(あぁシスか、シスだよね的な)、興味ない人には「?????」という、ちょっとプロモーションとしてはシクッてるなぁと。当時は広告代理店の社員でしたから。職業病ですね。

そしてこの台北ゲームショウの渡航で、僕は自分の身体の異変に初めて気が付きました。見えざる脅威は、もうすぐそこまで来ていました。

2月「朧の彼方、明かりの気配」

・初のアンプラグド(のような)ワンマン公演

念願でした。以前から発言しているように念願のワンマンでした。普段は演奏しないバラード/アンビエント寄りの楽曲を中心に曲目を構成し、後半は定番の曲をピアノメインの、というか原曲ってことになりますね、最初から最期までピアノを弾き続けるワンマンの日が来るなんて。当初はブルーノート的な、ご来場者がドリンクを呑みながらゆったり観るという空間を想定していたんですが、想定以上に来場者が多く(正直言って興味有るとは思ってなかったです)、Queのスタッフが総出で椅子を敷き詰めてくださいました。本当に大感謝。

関係者からは評判が良く、観られた方から「定期的にやろうよ」って言われましたがもう演りません絶対にだ!!

・精密検査、はじまる。

右足首に現れた大きな「しこり」。敢えてそう呼びます。突然ではなく、多分相当前から発生していたのでしょう。激痛を感じるまで全く気付かなかった。自分ではもう「それ」が何なのか、「それ」がどんな意味を持つのか直ぐに理解出来ました。もう泣こうが叫ぼうがどうにもなりません。誰も代わってくれません。助けを求めたら同情してくれるでしょう。日々の生活の手助けをしてくれるでしょう。

でも、なにも、変わらないのです。もう。孤独な、とても孤独な闘いのはじまりです。

「朧の彼方、明かりの気配」は歌手・坂本美雨が2006年にリリースしたアルバム名です。公的に「僕が楽曲提供した初めての作品」です。美雨ちゃんのために描き下ろした曲は2曲。「Swan Dive」と「オーパス・アンド・メイヴァース」。「オーパス」は元々、美雨ちゃんの為に制作した楽曲ですが先に自身のバンドでリリースすることに。当然ながら彼女が歌ってるほうが完成品だと製作者は思っています。実際ホント歌い上げてくださいました。個人的に「孤独と、暗闇に、眠るまで立ち向かっていた」の部分を、望んでいた通りの表現で歌ってくれた。クリエイター冥利に尽きる、その言葉の意味を初めて実感しました。

孤独と、暗闇に、眠るまで立ち向かっていました。

3月「森を焼き払いました」

・検査、検査、また検査!!!

人間が抜いてもいい血液の量ってどれぐらいなんでしょうかね。もう合計で何リットル抜かれたか、何リットルの点滴を、薬剤を打ち込まれたか覚えていません。レセプト見れば計算できるでしょうがぶっちゃけどうでもいい!!

問診→レントゲン→CT→MRI→問診→再度レントゲン→CT→MRIを何度繰り返したことか。要は右足だけでは無かったって事です。その割にはもう取り乱すことも無かったです。無我の境地というか、頭の中は楽曲のラフ納品と日時が迫ったワンマン公演の事だけです。そんなもんですよ。誰もがそうなります。

・ワンマン公演、そして。

育った本拠地CLUB Queでのワンマン公演。その終演後、御来場の皆様に自身の言葉で、今年度の予定公演の全キャンセル、活動の休止をお伝えさせえて頂きました。響先生には以前から経過含め全てを話しております。その中で、終演後に自分の口で話そうという事に。病状と病巣の箇所もご説明させて頂きました。先輩アーティストの方々から「次のライヴが有ると思うな。次のチャンスが有ると思うな」と聴かされて育ちました。

次は無い。いまが全て、なんですよね。

「森を焼き払いました」。これは映画「ダークナイト」に登場する執事・アルフレッドが、主人であるブルース・ウェイン(=バットマン)に説法する際、若きアルフレッドの経験談を語った時の言葉です。若きアルフレッドがビルマでの滞在時、地元民を悩ます盗賊の所業を例にしてご主人さまを諌めます。くわしくは映画を御覧ください。ヒース・レジャー演ずるジョーカーは最凶かつ最高です。

ブルースが盗賊の顛末を尋ねると、アルフレッドは笑みをたたえながら

「森を焼き払いました(ニッコリ)」
さすが執事!

4月「いつも通る道だからって、景色は同じじゃない」

押井守監督のアニメ「スカイ・クロラ」、押井さんにしては珍しく解りやすい映画だったなぁと・・・w

決められた人生と少ない選択肢の中、主人公は自問します。近年のアニメの中でも素晴らしい描写のシーンだと個人的に思っています。そして観られた方は皆「同じ期待」を主人公に祈ったと思います。僕も観ながら祈りました。ものすごく祈りました。「こう(いう結末)であってくれ」って。興味の有る方はぜひ映画を御覧ください。

4月の殆どがベッドの上です。ずっと天井を観ているのも苦痛なので、溜めた映画を一気に観たりゲームしたり。こう書くと結構有意義な月だったんだなぁと。

余談ですが小説版「スカイ・クロラ」シリーズの表紙イラストは、我らが鶴田謙二さんが描き下ろしています。

5月「また逢おうと竜馬は言った」

・5月7日

自分の全てを出す、っていうのは迫力が有ることでは無いです。勢いや音量でも無いです。ましてや、この日だけ特別なんてことは無いです。全てのワンマンが、全てのライヴが「次なんて無い」と思って臨んでいるのですから。全てのワンマンも、作品も、「自分が持ち得る性能の全て」を出し切って来ました。アーティストにとっては「全ての日が特別な、2度とない日」なんです。今日のワンマンも、前回のワンマンと同様のクオリティが出せただろうか、そう考えたり悩んだりの連続です。その連続を生きていくんです。

僕はワンマンやライヴ終演後、必ず「また。」と言います。生で観たことがある人ならご存知でしょう。「次のライヴがあると思うな」って気持ちでステージに臨み、演じきった、というより「演じきらせて頂いたことへの感謝」の気持ちを込めて、必ず言うようにしています。もし今後、僕が終演の際に言わない時があるとすれば、それはもう「次は無い」でしょう。120歳になっても言ってるでしょうけど。120歳の誕生日、SNSで「僕より先に結婚した奴は皆死んだわ」ってプッシュするのが僕の楽しみです。

・また逢おうと竜馬は言った

病に伏せたベッドの中で「その一報」を聴きました。

天井を眺めながら、このタイトルがずっと空間に浮かんでいました。

演劇集団キャラメルボックスで1番好きな演目です。

僕に曲を書かせて頂いたこと、僕の曲を使ってくださった事、

僕の誇りであり、プライドです。

いつでも使って頂けるように準備していますよ!

また観れるに決まってるじゃないですか。

竜馬はそう、言い切りましたから!

6月「ウチの息子は、洗濯機に乗ってでも帰ってくる」

・韓国へ。ボス戦に突入。

ジェッジdeトラベル!!「ソウルの晩餐 ~最期の晩餐と希望の話~」で記載していますが、
結構愉しい旅でしたよ!また行きたいです。

ジェッジジョンソン藤戸です。
御無沙汰です。

韓国です。

文字通り命の掛かった手術を、最先端の次世代医療の被験者として施術を受けます。合併症もなく無事だったらまたご連絡します。なんかあったらメンバーがご連絡します。

洗濯機に乗ってでも日本に戻ります。

未来に希望しか無いぞ!w pic.twitter.com/qOxN6rK0yf

— ジェッジジョンソン/Batius (CV:藤戸とスタッフ) (@JETZEJOHNSON) June 19, 2019

映画「アポロ13」の有名なセリフです。月面着陸ミッションの途上、原因不明のトラブルに見舞われたNASAの宇宙船「アポロ13」の史実に基づく傑作映画です。フィクションの部分が少ない、ほとんどが史実に基づいてシーンが描かれているのも凄いですが、死ぬまで持っていきたいセリフがオンパレードっていう、とんでもない映画です。アポロ13の地球再突入を控え、不安と絶望に潰されそうになる船長の奥さんを見て、船長の母であるおばあちゃんが語った言葉です。人間が突き動かされるもの、助けられ救われるものすべて、ホントは根拠なんていらないんですよね。

韓国出発までの空港は父親が運んでくれました。普段話すことは少なくなりましたが、車内でいろんな話をしました。術の直前から僕の記憶は有りません。次の景色は、父親が運んでくれた車の中でした。

そのあとの記憶は、有りません。

7月「人間の証明」

・THE UGLY UNDERNEATH

自分が病気だと思わないようにしていますし、思いたくない。周りにもそう思って、接してほしいのです。なにも変わらない。なにひとつ変わらないのです。

病気なんて知られたら気を遣われて、もしくは敬遠されて業務が減ることもあるでしょう。悲しいけど当然の事実です。

僕の望みはただひとつ、「当たり前の、変わりない音楽の日々が続くこと」。出来ることなら病気だなんて言いたくない。渥美清さんや高倉健さんのように。

こんなことは人生の大きな流れのひとつでしかない。当たり前の毎日が戻るように。

こういう時こそ「見えるもの」があります。

何も言わずに「手伝うよ」と連絡をくれる人。「次の曲まだぁ?」って変わらず接してくれる人。

心配しているように見えて、自身の興味や好奇心を満たすためだけに連絡をしてくる人。もしくは悪気がなくてもソレが無意識に出ている人。

「ひと皮むけば、みにくいものばかり」

アンディ・パートリッジはどんな景色を眺めて来て、こんな歌詞を書いたのでしょう。

そんな人の曲を聴きまくって大人になった僕がいます。最高。

人が人で有るための定義ってなんでしょうね。外見?感情?殺人鬼を目の前にして「およそ人とは思えない行為」という、その「人」って?

森村誠一さんの小説「人間の証明」は、小さい頃の僕に、巨大な謎を静かに抉りこみました。

いまでもよく判りません。判んないけど、日々を生きています。

7月、術後初めて外出しました。元所属事務所のUSEN/ユーズミュージックの周年パーティーです。

杖を突いている姿を見られたい人が居ますか?弱った姿を見られたい人が居ますか?それでも僕は杖を突いて向かいました。恩義って、そういうものだと教わってきましたから。

登壇させて頂きました。久しぶりに稲葉社長と話してきました。来週ゆっくり御飯を食べようと誘って頂きましたが参列後、無理が祟って一ヶ月動けませんでした!!!!ずびばぜんっ!!!

てな訳で会食は10月と御連絡を頂きました。いやー、積もる話がいっぱいですね。

8月「ロスト・イン・トランスレーション」

「影響を受けた映画を5本選べ」と言われたら、まず即答で名前を挙げます。東京を舞台にした映画「ロスト・イン・トランスレーション」はサントラ含めて大きな影響を受けました。

って書いときながらアレですが、この映画の話を始めると超絶長くなるのでまたいつか!

8月はリハビリも始まり少しずつ歩ける(立てる)ようになりました。最寄りの駅まではなんとか歩いて(コケながら)辿り着けるので、止まっていた業務の再開などなどなど、打ち合わせの為に多くの人が、わざわざ来て下さいました。人と話をしていると落ち着きます。繋がっていること、何も変わっていないこと、それが判ると安らぎます。1番のリハビリ、かも、知れませんね。

9月「朝は来るから。陽はまた昇るから。」

・東京ゲームショウに行ってきた

藤戸じゅにあ東京ゲームショウ料理の別人ジェッジジョンソンJETZEJOHNSON

行ってきましたよ皆勤賞!!CESAのS塚さんにお伝え申し上げたい!!詳しくは【個人的備忘録】東京ゲームショウに行ってきた(ビジネスデー2019年度版) をお読み下さいませ。

そしてこの翌日、無理が祟って再びベッドの淵に逆戻り・・・。人は何故学ぶことが出来ないのか、もしくは忘れてしまうのか。

“Cause morning rolls around. And it’s another day of sun.”

映画「ラ・ラ・ランド」のメインテーマ「Another day of sun」の歌詞です。そう、あの曲の歌詞です。

ラ・ラ・ランドはもう200回は観てるんじゃないでしょうか。僕がどんだけ好きなのかは過去のブログのこちらをお読み下さい。

あしたは、かならず、やってくる。

そして12月:
「大事なことは、最期まで立ち続けること」

映画「アンタッチャブル」での原文の英語は “never stop fighting till the fight is done.” 「闘いは終わるまで続けるんだ」って意味ですが、当時の意訳では上記でした。もう座右の銘です。

12月21日、ワンマン公演を行います。VJ/映像クリエイターは松丸ノブヤス。ジェッジの初代VJであり、イベント「MILKMIX NITE」を共に立ち上げ、「めがね部」を作った人。出会って23年間、僕と共にクリエイティブの道を走ってきた人。この日の為に、3年近くイメージを話し合ってきました。3年越し?23年越し?

舟は沈まぬ限り、また乗れるんです。
一緒に旅が出来るんです。

ジェッジが再開?
違います。単にワンマンが半年無かっただけです。
ただ、それだけのことです。

ぜひワンマンにお越し下さいますよう、お願い申し上げます。

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