【個人的備忘録】東京ゲームショウに行ってきた(ビジネスデー2016年度版)
毎年恒例、興味のない人には全く興味の無い個人的備忘録「東京ゲームショウに行ってきた」です。ゲーム会社が出自の人間として、現在も間接的ながらゲーム開発に携わる人間として、何より自分の趣味として、ゲームショウは毎年欠かさず参加します。ゲームショウも今年で遂に20周年。あっと言う間です。
今年はSONYが満を持して「PlayStation VR」を発売しました。仮想現実空間を体験できるゴーグルのアレです。2015年執筆のブログで推測したとおり、今年ローンチしてきました。よく間に合ったなと・・・。PlayStationを持っていないとプレイ出来ないのがボトルネックですが、世の中は先ず「初回は人柱の方々に購入して頂き、その売上を元手に品質を高めていく」ものなので、多少ハードルが高くても問題ないでしょう。今後の課題としてはPlayStationに接続せずに単体で遊べるスタンドアローンのガジェットになる、要はコレだけ持っていればゲームもネットもテレビもいろんな事が出来るようになれば次世代のマストアイテムに成長出来るかと思います。そのための軽量化・バッテリー化など水面下で開発中だと思います。コレだけ持っていればいろんな事が出来る、そう考えるとちょっと楽しみじゃないですか?
参加したのは2日目。先日購入したコンパクトデジタルカメラを片手にウロチョロしてたんですが、知り合いに逢うたび (;・∀・) こんな顔されました!!! カメラ小僧デビューでは無い!!! キレイなお姉さんを撮りに来たわけでは無い!!!
ヴァー!!!
本題。
SONYのブースは前述のPlayStation VRに絡むゲームだけでなく、後述の「ファイナルファンタジーXV」「バイオハザード7」など主力級ソフトが相次いでリリースという事もあってか、思いっきり「勝負に出た感じ満載」でした。去年以上に盛り上がってます。
PlayStationの新筐体も併せて発売です。今までより値段もサイズも小さくなりました。あとCMのセンスも「昔のナナメな感じ」が戻ってきて、観ていて楽しい。
「みんなのGOLF」も最新作が遂に発売。みんゴル、超大好きです。
ブースで一番盛り上がっていた「人喰いの大鷲トリコ」。遂に遂に遂に遂に発売です。待ち望んで10年経っちまった!!! 写真のブース内ではプレイ映像が公開。もう映像見たら訳わかんないくらい涙が出てしまって痛い人になってました。もうゲームという名の芸術でした。踏んだ方向に揺れる鎖、寝転んだ形でへこむ草むら。細部に渡って恐ろしい演出がなされています。ここまでこだわるとは思っていなかった。買ったら当分社会から消えます。ごめんなさい。
カプコンのブースはバイオハザードで一色。バイオハザード関連コンテンツがズラッと紹介され、その中心には目玉となる主力ゲーム「バイオハザード7」が。イメージ画像が今までのシリーズと明らかに一線を隠す、密室系ホラーな雰囲気です。「エッ?」って感じを受けました。クリスは?レオンは?ゾンビをガンガン撃ちまくるバイオは何処に?ストーリー部分は公開されていないので、今後の情報公開が楽しみです。
僕もプレイしてきました。初PSVR体験。とりあえず感想は「めちゃ怖いのでVRでプレイしたくない」です。若干、視点移動と音の回り込みに違和感がありますが、PSVR投げ出しそうになるくらい怖い。絶対投げて壊す人出るぞコレ。
DMMのブースは女子に大人気「刀剣乱舞」がVRに。ぶっちゃけバイオハザードよりも並んでました。てかさ、業界関係者が多いはずのビジネスデーでこの行列ってアンタたち自社のゲームキャラは・・・。
戦略ゲームが専門のWARGAMING.NETも面白法人カヤックと提携してVRを参考出品。VRとクロマキー合成技術で、自分が戦艦大和の上から砲撃出来るというVRを披露していました。普通、ヤマトがVRで操縦できる、じゃねえ?なんでヤマトの上から撃つなの?
毎年恒例、世の女子の欲望と願望を具現化したヴォルテージ社のブース。今年も期待を裏切りません。イケメンのイケメンがイケメンな事をしてイケメンでした。僕ら平民は近寄らない方がいい。色々と打ちひしがれます。
有名どころの各社も新作を発表しているんですが、いまいちパッとしません。既存のタイトルのマイナーアップデート的なタイトルが目立ちました。完全新作を打ち出してるのもあるんですが、これまた(飽和気味な)美少女チーム系だったり。タイトルを成長させようと意気込みは判るのですが、目新しさには欠けました。そしてすごい気になったのがコナミのブース。なんかもう「大丈夫?」っていうぐらいパッとしない。開発者も足を止めてないし、発売タイトルも目玉が少ない(強いて言えばウイイレなんだけど)内容が「うーん・・」と唸ってしまう。お家騒動の件も確実にイメージを悪くしてます。ぶっちゃけ今後コナミはゲームに注力しなくなるんじゃないかと(個人的推測ですが)思っちゃうくらい違和感が有りました。
SEGAのブースはお約束タイトル「龍が如く」に並んで「ペルソナ5」が。ペルソナがセガブースに飾られる日が来るとは。なんにせよ存続して良かったと思いました。
ゲームショウSEGAブース恒例の名越さんコーナー。今年もキャバなお姉さんがステージを飾っておりました。
スクウェア・エニックスのブースは大注目タイトル「ファイナルファンタジーXV」と「キングダムハーツ」の2トップゴリ押し。いよいよFFナンバリングタイトルが発売とあって大盛り上がりですが、賛否両論が今まで以上に凄いというのが個人の体感です。あの方がプロデュースした作品は大概「ゲームが進むに連れ、設定に無理が生じる」「シナリオが破綻する」「そしていろいろ寒い」という傾向があるので・・・。
シリーズが進むにつれ設定が後付け過ぎて無理が生じて破綻した最たる作品「キングダムハーツ」。もはや「ただ殴り」「ただ育て」「ひたすらディズニーキャラとキャッキャする」ゲームだと個人的に思っています。シナリオはもう追わなくていいと思います。設定が破綻していても買います。絶対に買います。
コスプレイヤーさんがいっぱい。普段はキャンギャしてる人がコスプレしてるのか、それとも普段もレイヤー活動している人たちなのか詳しく知りませんが、レイヤーさんがブースを飾るようになったなぁと。コスプレイヤーさんの知り合い&友達も多くなって作詞作曲提供したり(いま初めて言いました)が多くなりましたが、コスプレが仕事になるまで成長するとは。最近のジャパンカルチャーとしての輸出っぷりも凄いですね。「一つのコンテンツ」として受け入れられない人はオールドタイプとして淘汰されていくでしょう。
すっごい個人的な話ですが、毎年EXPERIAのブースのお姉さんが同じ格好なのが気になりました。まぁどうでもいいですよね。
今年はちょっと控えめな大きさの台湾ブース。余談ですがこの日は僕が参加することになった、ハリウッドと台湾を拠点に映画音楽を手がけるサウンドチームと合流してグルグル見て廻ってました。映画もゲームも音楽・効果音制作に於いて共通することが一杯あります。これから3年間、彼らと共に映画音楽の制作現場を学び、作ってきます。
【2016年の総括】
・VR元年。ただVRとして魅力的なタイトルが少ないし、どれも「VRであること」がゲーム仕様に於いて重要ではない。
・今後5年でPlayStationなどのプライマリと切り離して遊べる「独立したウェア」に成長できるかが鍵。ヘッドセットだけ買えば地デジもHuluもゲームもネットも出来る、そうなれるかに掛かっている。
・一番重要なこと、それはVR元年でもなく、ゲームショウ史上最高に「中国メーカーの存在が際立っていた」こと。もはや脅威に近い。人件費が安いために開発コストの段階で日本のメーカーは勝てないし、なにより中国産のミドルウェア(平たく言うとゲームの開発ソフトのこと)の性能が目を引いた。現状、日本の開発環境に簡単にコミット出来る作りでは無いけど、もう時間の問題。近い将来、日本のゲーム会社は「大か小(中規模が死滅する)」しか存在しなくなるかも。
・iPhoneでお姉さん撮っても文句言われなかったのに、デジカメになったら友人達から「カメラ小僧デビュー」と言われた。差別の根底を垣間見た。
・友達の彼女がキャンペーンガールしていたので写真撮ったら超心配な顔された挙句「アルバムはよ」と言われた。はい。
別冊付録「マンテンパパの新店舗に行ってきた」
v東京ゲームショウの最寄り駅「海浜幕張駅」の近くの駅ビルの1Fにスペインバル「Luz(ルース)」というお店が有ります。オープンして3年目。幕張メッセに用事が有る時には必ず、この店に立ち寄ります。 この店の前身は東京・下北沢にあったイタリアン居酒屋「マンテンパパ・キッチン」という知る人ぞ知る美味しい店で、僕はもうどんだけ足を運んだか判らないくらい大変お世話になったお店です。ジェッジのファンの方々も覚えている方が多いと思います。僕の唯一の「正式のサイン」が存在するお店です。 「マンテンパパ・キッチン」には名物が2つありました。ひとつはバーニャカウダ。単なる生野菜盛り合わせにソースを漬けて食べる・・・と、このソースが異常なまでに美味しい!!一般的なバーニャカウダのソースでは無く、一体何をブチ込んであるのか判らないくらい「和風」で、かつ「深みのある」ソースなのです。もろみ味噌をベースにしてるところまでは何となくイメージ出来ますが、ほんと何入れてるのか謎だけど、これほど美味しいバーニャカウダは食べたことがない! そしてもうひとつがスープパスタ。自由が丘で有数の名パスタ店として名高い「Peco」の支店で働いていたオーナーが味を引き継ぎながら改良を重ねた「赤唐辛子のスープパスタ」は、僕の人生の中でナンバーワンの味なのです。その味が、いまもここ「幕張ルース」で食べられるのです。数少ない僕の愉しみなのです。
バーニャカウダが登場。もう登場の時点でエクストリームです。食べたら脳が壊れるのでグルメリポーターみたいな文章の説明が出来ません。説明するならば、食べたら思考が止まって「美味しい」としか発言出来ない「ヒトのかたちをした何か」に変貌します。それぐらい美味しい。野菜がこんなに美味しくなるソースってあったのか。野菜10キロ出されてもソースが尽きない限り食べ続けられます。
これは「お肉」という、人間を全くもってダメにする、大変キケンな食べ物です。オーナーの藤山さん曰く、今の看板メニューのひとつで、これが昼間のランチに恐ろしい数が注文されるそうです。恐ろしく注文されるものを食べてみたいと思うのは人間の性なので迷わず注文したら本当に恐ろしい目に遭いました。人間がダメになる味です。けしからん。
そして北島三郎の登場です。大御所です。これを食べに来ました。赤唐辛子のスープパスタ。もう説明しようと試みて想像すると脳が溶けてダメ人間になるので簡潔に表現します。
「おいしい。」
たっぷりの塩とニンニクと、あと判らない何かが一杯溶けたスープは、はじめのひと口はアッサリ、その後にズッシリと深い深いコクが溢れます。この深い深いコクと麺が絡み合い、最後は中毒のようにスープを全て飲み干してしまいます。いや中毒です。なにか混入してます。キケンです。唐辛子と名前は付いていても全く辛くありません。むしろ唐辛子が何かダシを出してるのでは。いや唐辛子はダシだ。あれはダシだ。 皆様も海浜幕張駅に行く予定がある際は、ぜひぜひ「ルース」にお立ち寄りください。そして上記メニューを(それ以外も)食べてみて下さいませ。