東京ゲームショウ2024に行ってきた(ビジネスデー1/2日目)
今年も恒例、皆勤賞の東京ゲームショウ。ゲーム開発出身のプロミュージシャンと呼ばれて、というか開発者だったの何年前なんだ…今でもお手伝い(開発支援コンサル)とかしてますけどね。ノーギャラで。
今年はカメラのGRIIを持参していないので画像が粗めです。iPhone11だけで完結しようと考えたのですが、やっぱGRIIだな…。
東京ゲームショウは開発者・関係者のみ入場できる「ビジネスデー」と、一般に開放される「一般デー」で構成されています。ビジネスデーは2日間。業界関係者のみとはいえ、試遊機は早々に整理券SOLDするタイトルが。僕は毎年ビジネスデーにお邪魔しています。
2017年頃の「東京ゲームショウに行ってきた」ブログで予見した通り、中国/韓国ゲームに圧倒される業界になりました。人気タイトルの多くは中国/韓国製。スマホが主戦場に移行する中、日本は出遅れたこと、そして時代のニーズを間違えた結果です。過去のブログから足掛け、もう20年近くゲームショウを書いてますが、今年ほど日本の企業の影が薄い(日本のゲームショウなのに)のは初めてです。日本の、世界のゲームを担っていた大国は今や昔。北米やヨーロッパには市場とすら見られていないのが現実です。マイクロソフトもインテルも多くのゲームメーカーは東京ゲームショウには出展しない。これが日本という市場の現実です。
開幕はディズニーの世界観が楽しめる「エピック・ミッキー」を試遊。思った以上にディズニーランドな、ファンタジーとミッキー全開のゲームです。
ミッキーを操作して「筆」で世界を消したり描いたりするゲーム…あれどういうゲームだ。説明するための語彙力が…。要は描いたり消したり出来る筆を武器にして敵やギミックに立ち向かうという仕様。様々な箇所にキングダムハーツへのオマージュに近いものを感じました。これはよく出来てる。
ブログ恒例、きれいなおねえさんを撮るツアーですが、例年に比べてコンパニオンの方々が少ないです。大企業はいつものとおりですが、中小企業のブースであんまり見掛けなかった。そして今年は忙しかった。なので写真が少なめです。
日本を凌ぐゲーム大国・韓国のメーカーが作った「NIKKE」は日本でも大人気。開発者多めの日なのに長蛇の列。
超巨大ブースで中国のゲーム「鳴潮」が。ものすごいプロモーション。日本のタイトルは完全に圧倒されてます。
スクウェア・エニックスのブース。「ドラゴンクエストIII」「ロマンシングサガ2」など、往年のビッグタイトルのリメイクが。今年の日本企業は全体を通してビッグタイトルの新作は少なめです。モンハンぐらい。特にスクエニは今年、新規開発タイトルを結構な数、開発中止にしたことが話題になりました。既存のタイトルの焼き直しやサービス中のオンラインゲームに注力。
伝説のゲームである「ドラクエIII」の完全リメイク。試遊してきました。小さい頃やりまくり過ぎたせいか、街とかシステムとか体に染み付いてるレベル。
ドット絵を残しながら現在のグラフィックに落とし込むあたりはさすが。そして新しいやり込みシステムを導入。パーティーにつれていく仲間の外見や性格、声など細かくカスタマイズ出来るように。試遊してたら欲しくなった。全てのRPGの見本のようなゲームがリメイクとあって、年代問わず並んでいたのが印象的。
そしてコナミは「サイレントヒル2」のリメイクを投入。サイレントヒルシリーズで一番やりこんだ、思い入れのあるタイトルなので並んで試遊…と思いきや
中ではゲームじゃなく、本編映像と「本物のクリーチャー」が登場するイマーシブ体験ブースでした。三角頭のリアル版が登場した。プレイしたかったけど、これはこれで演出好きです。
え、パルワールドのブース、めっちゃでかいんですけど大丈夫ですか…。リリース直後から全世界で大人気になった国産ゲーム…しかし任天堂から「ポケモンに似すぎ」と告訴されて現在係争中…。係争直前にはソニーと業務提携するという、任天堂とソニーの仁義なき戦いの構図が揃った感じが。今後も予断を許さないゲームです。
東京ゲームショウ最大の話題は「モンスターハンター」の完全新作。カプコンは過去最大の試遊機を準備しましたよ!って言ってたからプレイできると思ったのに
整理券は秒殺。国産ゲームじゃナンバーワンの人気なのでは。
サムソンブースで参考出展されるモニターがどうしても見たかった。これなんと「立体に見える」モニターなのです。
写真じゃ分かりませんが実物は確かに立体に見える!奥行きの表現や視野角の狭さなど、まだまだ開発途上の感じでしたが、2年後には3Dモニターが話題になるんじゃないでしょうか。
サムソンブースのきれいなおねえさん。今年のゲームショウで個人的に一番ステキな方でした。
ゲーム&ライフスタイルとして、ゲーム環境のアップデートが流行ってます。多くの異業種がゲーム業界に参入してます。昨年に引き続きニトリが出展。
ニトリの家具でこんなにオシャレにカッコよく!ってプロモーションしてるんですけど、ニトリの家具がやっぱりダサい!非常にダサい!あぁもうコレジャナイ感がすごい!デスクの角の丸みや脚の材質や形状など、もうなんでこんなダサいのって感じてしまう。周囲の方々も口々にしていたので皆同意見なんだなと。デザインが洗練されていない。
これなんて参考で飾っている他のメーカーのアイテムが素敵なだけで…。ニトリは本気で参入するならデザイナーを外部から招聘したほうが良いです。
ニトリブースの面前で北欧の巨人・IKEAが出展。
IKEAのゲーミングインテリアは今年から「パーソナルな空間」から「共有する空間」がコンセプトに。みんなでワイワイやるための空間。対比のコントラストが鮮明です。とは言いながらもIKEAは昨年までの「やり込みパーソナル空間」も引き続き提案してます。ゲーミングデスクだけ比較しても、IKEAのほうが細かい配慮が盛り込まれていて、その差は歴然です。
「インディーズゲーム」エリアを散策。過去最大のインディーズ開発者が集まった今年、なかなか見応えがありました。
ドイツのインディー開発者が出展したスタンドアローンのゲーム筐体を友人たちとプレイ。操作性はこれからですが、何より美しく、そしてパーティーゲームの進化点と見た気がしました。多面体にそって光を操作して、っていうゲームですがアイディアが面白い。
インディーゲームを見ていると、よりパーソナルな「一人でやり込む」ゲームより、ソーシャルな「みんなで遊ぶ」ゲームが増えている事が分かります。開発者たちの思考や未来には、パーソナルなやり込みよりも数名で遊ぶゲームが浮かんでいる。数年後、みんなで遊ぶゲームが主流になっていく予感がします。ここで書いたことが現実になることが多いと某ゲーム会社の役員様たちから度々言われると過去にも書きましたが、ある意味日本の業界におけるデスノートだと指摘された方が居て(歯に衣着せぬ事ばっか書くからちょっと怒ってた)、このブログシリーズは単なる僕の備忘録ですよ!と。デスノートじゃなくて大体予見出来るだろうと。そんな流れでいま、何故かコンサルタントで招聘されて開発に参加してます。ノーギャラですけど。あ、弁当は出てるか。叙々苑弁当おいしいです有難う御座います。
これ、中に入ってゲームする個室チェアです。中にドルビーアトモス対応のスピーカーがあって、没入感あります。別企業が開発した、これのハイグレード版が蔦屋家電玉川店にあります。この手のライン、価格が100万越え当たり前だけど、ニッチな需要がありそうだと思いました。
[東京ゲームショウ2024の総括]
・予見通り中国のゲーム、開発メーカー、ベンダーがゲームショウを席巻する時代になった。その最たる年。
・国産は焼き直しとスピンオフが多め。よりモンハン新作が注目されるように。
・インディーブースが過去最大規模の出展。ゲームもインディーの時代になって久しいけれど、より自由に作れる環境が整ってきたんですよね。ノーコードで作れるゲームも登場してますが、技術なしに想像力でゲームがつくれる日が近づいてきたなって感じました。音楽では音符を必要とせずDTMで音楽が作れるように、もうすぐゲームもそうなる。
・喫煙所で会った元同僚が役員になっていた。もう仕様を作る日々が恋しいと嘆いていた。わかる。
・日本のeスポーツ、息をしていなかった。あれだけ大々的にオープニングセレモニーやったのに。団体が後手に回るし形骸化してるし。夜明けは遠い。