ジェッジdeトラベル!!「ソウルの晩餐 ~最期の晩餐と希望の話~」
ジェッジジョンソン藤戸です。韓国です。ソウルに居ます。
ウトウトしながらソウル行の急行列車から眺めた景色は、「もっとも近くて、もっとも遠い国」だと判らないぐらい、日本のありふれた日常の景色と同じでした。
観光ではありません。手術です。
文字通り「命の掛かった手術」を、最先端医療の被験を兼ねて施術を受けてきます。
と、重い話はここまでです。
今後も話すことは無いです。
大事なことは「いま、生きている」ということです。
車窓からの景色は日本のそれと何ら変わりません。台湾もそうでしたが、建築物の形がより日本に近い。韓国は仁川国際空港で乗り換えで使うぐらいで、外に出たのは相当久しぶりです。
市街に入る手前に、とても大きな干潟が見えました。人どころか生物の気配すらない地平が、霞む海の先まで続いていました。なんら面白みの無い景色かも知れませんが、僕にはとても美しく、過ぎ去るまでただずっと眺めていました。
「生きている」って、なんでしょうね。
倫理的なら「脳が正常な動きをしていること」、生物学的なら「個体として生存活動をしていること」。
「生きている実感」て、なんでしょうね。
息をすること、痛みを感じること、
生きるために「なにかを食べる」ということ。
食べるということ。
やっぱ
「食べてこそ」だよ
人生は!!!!!!
もうね、食べるの大好きなんですよ!!!
美味しいもの食べてるだけでしあわせ!!それこそが人生ですよ!!!
とは言うものの、ヘタしたら一生食べれなくなるし上手くいっても当分食べれそうにないし、もし「最期の晩餐」を迎えるなら何を食べようかと考えていたらソウルに着いた。我ながら最高だと思った。
今回も単身渡航ですが、現地で幼馴染の医者と合流。一連の行程を全てプランニングしてくれた。持つべきものは有力な医者!と言いたいところだが相当なヤブなので(現在は消滅した過去の「料理の別人」に登場したアイツです)あんまし褒めたくない。合流して向かったのはソウル市街でも有名な、海鮮料理屋がひしめくエリア。雰囲気は東京で言うところの錦糸町の繁華街に近いかな。海鮮料理屋と風俗?のような店舗とラブホテルが混在してカオス!
幼馴染も「施術前に美味しいものを食べておけ」と連れて来られたのですが気分が全く海鮮じゃ無かったですホントごめんなさい!!有名店を押さえてくれていたのにワガママを言いました!!食べたいものを食べさせてくれ!!!
ヤブ(酷):「じゃ何が食べたいんだ」
私:「決まってるじゃん。ソウルでしか食べられないものだ」
ヤブ:「あれか」
私:「あれだ」
ヤブ:「先に言っておくが、一人じゃ食べ切れないぞ」
私:「注文してから考える。最上流は「食べる」ということだ」
やって来たのはソウル有数のエリア・東大門。なんかもう面白そうなスポットがいっぱい有るんですけど時間が足りず・・・。元気になったらゆっくり来たいな。食べ歩きしたい。
ちなみにというか、こんな御時世なので言っときますけど、
韓国で出会った方々はみんないい人ばかりでした。政治と歴史が複雑にこじれているけど、こんな時だからこそ民間レベルでの密な交流と、連帯の時だと思っています。正直な話、僕も若い時に「業務上に於いて非常にイヤな経験」をして、嫌悪まではいかないまでも快く思えない時期が少しだけ有りました。
でもね、僕の周りには、僕の大事な仲間たちが「日本で暮らす朝鮮の人」だと告白された時、彼らがどれだけ不自由を強いられながらも生きてきた事を知った時、自分を恥じました。
数年前、僕は偶然見つかった家系譜の未確認箇所から藤戸家のルーツを辿る旅をSNSで投稿しました(過去ブログにも少し載ってます)。辿り着いた曾祖母の実家は和歌山の神社で、いつの間にか疎遠になっていた親戚の方々に出会うことが出来ました。それを読んでいた「ある人物」が、フッと口にした言葉を今でも覚えています。
「先祖の話を遠慮なく口にできるの、幸せだぞ」
僕に付き添い、僕の命を繋ぐために尽力する幼馴染の医師も韓国の三世。国籍も人種も、性別だって関係ない。「個々が繋がっていくこと」。この言葉が、それからの僕の全てです。
ウォーターサイドはライトアップされ、なかなか雰囲気の良い感じでした。目的地は川沿いに西に向かった先。歩いて向かいました。なんかに刺されたけど。
ヤブ:「そう云えば持って来てるよな」
私:「大丈夫だ問題ない」
ヤブ:「誓約書、同意書、その他もろもろ、あと万が一、もしもの場合の信託書」
ヤブ:「いいか、お前は独身だから気軽になってるけどな、残された親御さんの事とかな、いいか、お前は独身だからいいけどな(以下ループ)」
ヤブ:「で、書類全部持ってきてるか?」
私:「ごめん全部忘れた」
大変申し訳ございません。怒り狂う幼馴染の罵声・怒号・悲鳴。ハタから見たら「おー!あそこのカップル、別れ話がコジれてんなー」って映ったでしょう。後日談としては滞りなく進捗できた、と書いておきます。余計な仕事を増やしてゴメン。
東大門から川沿いに西に進むとココ、「広蔵市場」に着きます。夜でも活気のあるエリアです。屋台がひしめき、ソウル有数のB級グルメのお店が立ち並ぶグルメスポットです。ここ、イイっす。元気になったら喰い倒れに来たい!
ヤブ:「あそこだ」
私:「ここか」
ソウルでしか食べられないもの。
もう、お判りでしょう。
ウオォォぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
ユッケだ!!!!
レバ刺しだ!!!
しかもコレで一人前かよ!!!
ワタクシの大好物でありながらも日本では禁止になってしまったユッケとレバ刺し。韓国ではフツーに、そしてリーズナブルな値段で食べれます。
せっかく韓国に来たんだもの、食べずに死ねませんよっっ!!!
【本日のジェッジdeヤヴァイ飯(最後の晩餐編)】
広蔵市場・ユッケチャメチッ1号店の
「ユッケ&レバ刺し&センマイ刺し」
広蔵市場の通称「ユッケ通り」に店舗を構える「ユッケチャメチッ」のユッケです。超人気店らしい。他にも分店があるのでどこ入ってもOKみたいです。
数年ぶりにガチのユッケを食べました。美味い。心から叫びます。ほんと美味い。味付けは無く、黄身を程よく和えたあと、小皿で提供される胡麻油+塩につけて食します。東京では合法的に食べれなくなって早数年。脳内で美化し過ぎたせいか、開幕からおかしいテンションで食べまくってしまった。が!ブログ冒頭で幼馴染から忠告されたように量がハンパじゃない!これは無理だ!!ホントごめん!!
レバ刺しも感動。こちらも胡麻油+塩のタレで食します。センマイは下味などは無く、同様のタレをつけて食します。いや、美味しい。
生きてるからこそ食が出来る。食があるから感動が生まれる。よって「生きてこそ」デスヨ皆さん!!!
重量度:★★★★★★☆(量が死ぬ。2人以上で食べよう)
味濃度:★★★☆☆☆☆(塩ダレの付け方によりけり)
コスパ:★★★★★☆☆(ユッケが約1,500円。安いって!)
そのあと、幼馴染のエスコートで別の店に。オススメのユッケジャンスープやスンドゥブなど、ハシゴで三件も食べ歩きました。備忘録ついでに思ったことを書き残しておきます。
エスコートされたお店はどれも「地元の人気店舗」だったのですが、日本で食べるユッケジャンなどに比べると「想像と真逆で、味がシンプル」でした。3店舗とも同じ。日本はコクというかダシというか味に深みを持たせて提供しているんだなと。コクやダシは薄めで、そのぶん「メイン素材の味」がガツンと飛び込んで来ます。
ちっとこれは冗談抜きでリベンジで再び韓国に行かなければ!食べてこそ、ですよ!!