【2020年版】アーティスト&リスナーのための『権利の意識』のお話

ジェッジジョンソン藤戸です。「20年代」が始まりました。

どんな文化が生まれ、どんな「モラル」が形成されていくのでしょうか。モラルと言えばネットをはじめ「リテラシー」が叫ばれた10年代でしたが、なにより「有識」「無知」の個人性能差がより顕著に、かつ判りやすくなった時代だったと思います。20年代はどうなるでしょうかね。

 

 

と、いう要素が絡んだ本題。

 

 

つい先日、仲の良い舞台女優さんや歌手、バンドマン達と忘年会(という呑み会)が有りました。そのうちの一人が相当な激昂状態で現れて、皆で話を聴いたら「個人売買サイトで舞台のスマホ録り動画が売られてた」と。席の皆が一斉に「あぁ~」。「経験あるある」という溜息の混声合唱のあと、「オレはこんな事あった」「アタシはこんな目に遭った」に始まり「そもそも〇〇(後述)の行為って良いの?ダメなの?」という演者・クリエイター側の「権利に関する基礎知識の確認」の話題に。ちょっと待て忘年会だぞココ。なんでこんな神妙なドヨーンとした空気になるんだ!と心の中で思いながら自分も知らなかったマメ知識の話に「ウッソまじで!!!」となったり。

SNS全盛の現在に於いて、興行の風景を観客が撮影・録画してSNS投稿するのは(一部)OKというサービスが当たり前のようになりました。ある意味「人間の良識や良心」が試されている「人間の証明」のようなサービスです。画像や動画をUPする事、そもそも撮影すること自体アウトなのは常識やモラルの「当然の話」なので本ブログでは説明しません。今回書き残して置こうと思ったのは、その常識やモラルの中でも「ファン側もアーティスト側も結構見落としているNGな事」があると感じたんですよね。そしてそれはすべて「権利に対する意識」に繋がっていました。今回のブログのお題は「権利に対する意識」です。

僕も知らなかったというか「プロの作家/ミュージシャンとしてやっちゃいけなかった事」がありました(それは長くなるので後日)。周囲から伺った、自身も経験した「参考事例」と併せて可能な限りライトにかつナナメな文章で記述しておきます。友人アーティスト・芸能の方のみならず、誰かのファンやリスナーの方々も(理解しているとは思いますが)ご一読願えればと思います。余談ですがコレを執筆している矢先、スタッフから自身のバンド・ジェッジジョンソンのワンマンのスマホ録りが某所に出品されていると連絡を貰いました。おぉぉぉぉいいいいい!!!

 

 

 

【事例その1】
個人売買サイトに映像やライヴ音源を出品する

アウト度:★★★★★(満点)

説明不要の基本です。当然アウトです。人間の良心や良識に訴えかけようが信じようがいつの時代も必ずこの種族は存在します。悲しい。前述のように僕のバンドの映像も販売されていたそうです。非常に残念。

説明不要の基本を何故ここで記載したのかと言うと、「プロミュージシャンを目指す人達」の中で、やっちゃいけない事をしてる人を稀に見掛ける事があるんです。それは「他ミュージシャンの楽曲を歌唱・実演した映像や音源を[許諾なく]サイトで販売している」という事です。配布じゃないです販売です。対価を得ているんです。それを買う人がいるのか疑問だったんですが、人によっては結構売れるんですね知らなかった。絶対ダメです。職業柄、駆け出しの方々に出会う事が多いですが注意すると「え!ダメなんですか!?」というガチ返答が2人ほど居りました。あかん。本当に知らないかどうかは追求しません。なにより意識を改めましょう。

これ、あなたの首を締めるんですよ。日本に於いて音楽ビジネスはソフト不況の結果、収益は「興行」と「ライセンス」にシフトしています。ライセンスとは「著作権」などの権利の事。大きな事務所に所属して大きな宣伝力・露出力を有するアーティストでない限り、とてつもない再生回数を持たない限り、今後の20年代は、前述の力を持たないメジャー含めた多くのアーティストが、著作権は収益の柱にするのは相当大変な「作業」になります。それでも少しでも「収益を成立」させなければいけません。なのにこの意識では先が無いです。イリーガルすれすれの行為を手段として用いる(と覚悟した)人もいるでしょう。コンテンツ側も「呼び水」として黙認しているような気配さえあります。この権利に対する意識が低いクリエイターはマネタイズの意識自身の創作に対する誇りも低いです。「全てに於いて対価は存在する」という意識を、作品に対する敬意をクリエイター側が持たなければ、本当に「音楽=無料」になってしまいます。

「意識」を忘れずに。皆が持てば、20年代は必ず「新しい収益の手段」が生まれると信じています。「価値」がある限り「対価」が生まれるのですから。

 

 

 

【事例その2】
撮影したアイドルや公演の画像に自身の「©」(著作権表記)を付けてSNSにアップする

アウト度:★★☆☆☆(状況で変わる。後述。)

同席したコスプレイヤーの女性が「撮影会の写真に撮影者のコピーライトが印字されてるの、どうなの?」って質問していました。撮られたその写真の権利は被写体と撮影者、どっちに有るの?ということです。僕と某アイドルのマネージャーさんが答えました。答えは「状況によって変わるので、気になるなら双方で確認したほうが良い」です。この「状況」というのは例を挙げると「撮影会が有料か無料か」「撮影者がクリエイターか趣味か」などでも変わります。要はガイドラインが曖昧で、コミュニティごとに暗黙の配慮や思慮のバランスで保たれている灰色の領域なんですよね。気になるなら性善説を最上流に各コミュニティで擦り合わせましょう。ちなみに裁判では「ある解釈」が「判例」として残っています。皆さんはどちらだと思いますか?大学で法学部の人なら似たような「判例」をご存知かと思います。あ?知らない?おま、なにしに法学部に?僕も法律学科かつ専攻なのに判例知らなかったけどな!!社会人になってから知りました。興味を持たれた方は調べると相当面白いので是非。

数年前、とあるアイドルの撮影OKコンサートで、その画像に自身のハンドルネームとコピーライトを入れてSNSにアップしてる人を見かけました。(けっこう細かく、かつ厳しい)運営さんに指摘され逆ギレしていました。本人の言い分は「チケット代という対価を支払っているから当然だ!」と喰ってかかっていましたが、そもそもの大前提を理解せず勝手な解釈で言ってるだけなのでウルトラ完全アウトです。最上流かつ揺るぎない大前提は「肖像権は本人もしくは管理者のもの」です。撮影した画像は「撮影者の個人の趣味の範囲内でのみ使用が許されたモノ」であり、「普段はNGな事を権利保有者が許可をしている」だけに過ぎません。そういう人めったに見掛けないけど事例として記述しておきます。運営に喰って掛かっても火だるまになりますよ!!!

 

 

 

【事例その3】
撮影した動画を自身で編集してSNSにアップする

アウト度:★★★★☆(本来は5ですが、後述。)

これ、【事例その1】と同クラスで「絶対やっちゃいけないこと」です。僕の友人バンドや劇団の、撮影OK/NG問わずコンサートやお芝居の動画を編集してテロップや注釈を付け、SNS上にアップする人を偶然見掛ける(まれに”いいね”で流れてくる…)んですよ。長い付き合いの親友アーティストが僕に吐露した「苦しみ」の話を踏まえて御話させて下さい。

CDやDVDを買ったこと有りますか?盤面にも歌詞カードにも必ず記載されている「注意書き」を読んだ事が有りますか?

権利者の許諾なく無断転用もしくは商業目的での賃貸業に使用すること、無断でインターネット上でのアップロード等をすることを禁じます。また、個人的に利用する等の場合を除き、権利者に無断で録音・録画することを禁じます」

前述の通り昨今は「ライヴ映像や舞台を撮影OKに、SNSアップも一部OKにする機会」が多くなりました。でもそれは「個人で楽しむ範囲、もしくは共通の趣味の仲間と楽しむ範囲」に限られます。撮ったままの動画を公のコンテンツにUPするのと、編集してUPする事は大きく違います。自身のSNSアカウントのフォロワーが友人しかいない、もしくはその友人達と共有するためにUPしたとしても「SNSは利用者すべての場所という事実」の前には超アウトです。なにより「編集してUPするという行為」は個人で楽しむ範囲を超えて「他人に見せることが前提」になっている事を自覚して下さい。それは個人や限られたコミュニティの範疇を超えた、権利者と同格、もしくは権利者の代理であるかのような行為であり、その行為は世界中のほぼ全てで犯罪と規定されています。絶対にやめてください。

でもね、「★」は4つです。個人的な想いで4つです。

理由は、その行為をやってしまった人のほとんどが「善意」や「情熱」や「応援」の結果、権利の大事さを意識せず「過失」「不意」にやってしまったと思うのです。そうとしか思えないし、そうとしか信じたくない。より多くの人と共有したい、より多くの人に知ってもらいたい、その気持ちが絶対にあるはずなんです。甘いですか?性善説ですか?僕は、ほとんどの方が「過失」「不意」だと信じてます。

長い付き合いの、年下の、親友のミュージシャンが居ます。彼には古いファンが居ます。10年ずっとファンで居てくれてるそうです。動員がわずか5人に満たない頃から応援をしてくれたそうです。SNSやブログで写真をUPして、周囲に、可能な限り広めて応援してくれたそうです。少しずつ動員が増えていき、運良く事務所に所属して、会場が少しずつ大きくなっても必ず最前列で応援してくれたそうです。宣伝が掛かるようになっても、周囲に広めてくれていたそうです。変わらずバンドのライヴ写真をネットに上げる事があったそうです。いつしか番組の収録を自ら編集してアップするようになったそうです。いつしか許可なくコンサートの動画を自ら編集して上げるようになったそうです。手段は存じませんが、所属事務所が注意を促したそうです。ある日を境に、その人を見掛ける事が無くなったそうです。彼は「辛い」と、ただ一言、僕に吐露しながら泣いてました。自分が同じ境遇だったらどうだろうか。泣いてる彼を前に僕は、テーブルの特大つぶ貝がヌルヌルでどうしても箸でつかめなくて悲しかった。いまそんな話するなって思ったでしょ。

熱意、情熱、応援はクリエイターや表現者にとって至上の喜びで最大のエネルギーです。
でも、あなただけを特別扱いすることは出来ないのです。
彼に代わって、何卒ご理解をお願い申し上げます。

 

 

 

【事例その4】
偶然見掛けた芸能人の私生活をSNSにアップする

アウト度:?????(社会の意識、変わるかな?)

「偶然見掛けた芸能人と一緒に写真を撮ってくれとお願いしてインスタにアップした画像は、本人だけハートの画像で顔が隠されている」

話題ですよねコレ。多くの芸能人が類似の体験をSNSで語り、苦言を呈しています。皆さんはどう思いました?顔を隠すのは当然?権利は権利でも、この事例は人間の権利の話、いわば「人権」の話です。

芸能人は晒されても良いの?有名人の定義は?そもそも公人と私人て?20年代はこの「間違った意識」が僅かながら変わるんじゃ無いかと10年代末に社会で起こった事例を論拠に、個人的な期待を持っています。

2年前のLiSAさんのコンサート中の出来事が印象的です。以前ブログでも書きましたが、公演中に「ファンという単語を免罪符だと勘違いしている人間」の心無い行為にステージ上から反撃した出来事。ぶっちゃけ時代も時代なら表現者側が苦言を呈されたその行為に、多くのファンが賛同し、共感し、賛辞を送った事がとても衝撃的でした。音楽業界のみならず芸能業界に従事する方々も同様の賛辞が非常に多いです。そしてなによりメディアの取り上げ方が(ユーザーの意見を見計らったように)ネガティブではない、キレて当然という報道(もしくは偏りのないフラットな報道)ばかりだった事に「あれ、流れが変わってきてる?」と。メディア側もユーザー側も意識が変わって来てるというか、10代~20代前半の人達の意識が(リテラシーも含め)次の世界に進みだしてるんじゃないかと。

もうひとつは「堀ちえみさんのブログに誹謗中傷を延々と書いた50代(これ重要)の女性が逮捕された」という出来事。この事件、チェックポイントがいくつかあります。送検じゃなく逮捕である事。このニュースがメディアで相当頻繁に取り上げられていた事容疑者の自宅までメディアが押し掛けて取材をしていた事(実名も住所も報道機関には公表されているという事です)、その取材に返答している当人の「吐き気のする愚かな発言」に結構な数のネットユーザーたちが「旧世代」「匿名掲示板世代の亡霊」など、言葉は相変わらず辛辣ですが何よりその行為にアウトを突きつけていた事。オールドタイプが淘汰され、ニュータイプが育っていく予兆がしました。

基本的人権てなんでしょう?誰もが平等の筈なのに「特定の職業の人間」だけ誹謗中傷やプライバシーの侵害も国民に考慮されないのは?日本の芸能の歴史に於いて同様の事案が星の数ほど起こっていたのに有名税という不条理な単語でうやむやになっていた業界の真意と目的は?今まで意識もされなかった事が変わってきている、かも、知れませんというか、そう思いませんか?

 

 

 

と、最後に「プライバシー」で思い出した余談です。

 

00年代前半、黎明期のネットはそれはもう無法地帯でして、人権もリスペクトもあったもんじゃ無いという暗黒の時代だと思っています。ある日、先輩バンドマンの自宅に呑みに行ったときの話です。先輩が楽しそうにネットスケープ(ぅぉ!!)を観てるので覗いたらコレがもう、古今東西メジャーインディー構わずバンドマンのプライベートを隠し撮りした画像やリンクをまとめたホームページ(個人か有志なのか忘れた)で、そこにはバンドマンに特化してありとあらゆる「絶対観られたくないであろう画像」が網羅されていました。丁寧にバンド名ごとにカテゴリ分けされてるし。激おこですよ。ファミレスで彼女と食事を楽しむバンドマン、手をつないでディズニーランドでアトラクションに並んでいるバンドマン、無人ローンATMから出てくるバンドマン、路上でメルトダウンしてるバンドマン(あ、これは今もあるか)、ラブホテルに入ろうとするバンドマンetc…。よくもまぁこんなに集めたなと。ホントこういうの大嫌いなんで先輩にもういいって伝えたら、

 

 

 

 

 

先輩:
「あ、藤戸君あるじゃん(笑顔)」

 

 

 

 

 

なんということでしょう!!!!!!
なんということでしょう!!!!!!

ちょうど「デプス」シリーズをリリースした前後とはいえ何で自分が!!!!ふざけんなマジで!!!!!

 

 

しかも僕の意見も聴かずに即クリックする先輩!!!!!!
なに楽しそうなんだアンタ!!!!

 

 

そして開かれた画像がロックスター(死語)ありがちな浮き名を醸し出す写真ならまだしも、

 

何故か僕だけ
ヨドバシカメラで
両脇に大量のCD-Rのバルク抱えて
更に棚を物色している写真!!!!!

 

オマエふざけんな!!!なんで僕だけヨドバシ!!!!!

どっからどう見ても
バンドマンの写真じゃない
!!!!

そこか!!!そうだ!!!!あぁそうだ!!!!!

もっと華やかな写真は無かったのかマジで!!!!

もっとロマン溢れる写真は無かったのかおい!!!!

悪意だ!!!悪意しか感じない!!!!!

しかも写真の僕が
半笑い!!!
CD-R眺めならニヤついてる!!!

オタクが認知されてない時代だぞ!!!
「あのバンドマン、やばいよ」って
絶対なる!!!!絶対なってた!!!!!!
悪意だ!!!悪意しか感じない!!!!!

もっかい言う!!!!
なんで僕だけ
ヨドバシカメラ
!!!!
ねぇなn(あと繰り返し)

 

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